2019年3月16日、東武東上線に新種別「川越特急」が登場します。
川越観光にぴったり!特急料金不要「川越特急」
出典:東武鉄道プレスリリース
東武鉄道は、19年3月16日に実施される東上線のダイヤ改正で、新種別「川越特急」を設定します。
特急料金は必要なく、通常の乗車券のみで乗車可能。
池袋~川越間を最速26分で結ぶのが特長です。
車両は50090型クロスシート(進行方向に対し直角に置かれている座席)。
運転本数は、土休日が下り2本/上り4本、平日は下り2本/上り3本です。
川越特急の停車駅
停車駅は池袋・朝霞台・川越・川越市・坂戸・東松山~小川町間の各駅です。
川越特急のダイヤ(2019年3月16日~)
ダイヤの改正は定期的に行われます。
必ずご自身で最新のダイヤを調べた上でスケジュールを立ててください。
池袋~川越間の所要時間はおおよそ26分です。
土休日
- 下り(小川町行):池袋発10時00分、11時00分
- 上り(池袋行):川越発16時22分、16時52分、17時22分、17時52分
平日
- 下り(小川町行):池袋発10時00分、11時00分
- 上り(池袋行):川越発16時52分、17時52分、18時52分
川越特急はどれだけ早いのか 他の列車との違い
19年3月16日に新設定される川越特急。
それ以前から運行している既存の列車は6種類(+1種類)あります。
池袋~川越間の所要時間が短い順に並べました。
種別 | 池袋~川越間の所要時間 | 特徴 |
TJライナー | 25分 | 池袋~ふじみ野駅間は、有料の着席整理券が必要です。 19年3月16日以降、座席定員制から座席指定制に変更。 |
快速急行 | 27分 | 全列車の中でこれだけが、ふじみ野駅を通過します。 |
快速 | 30分 | 快速急行の停車駅に加え、成増・朝霞台・ふじみ野・若葉駅に停車。 |
急行 | 31分 | 池袋~川越駅間の停車駅は快速と同じ。 川越~小川町駅間は各駅に停車。 |
Fライナー | 31分 | 他社路線(東京メトロ副都心線・西武池袋線・東急東横線・みなとみらい線)に乗り入れをする列車。 東武東上線内では「急行」と同じ扱い。 |
準急 | 37分 | 池袋~成増駅間は通過。それ以降は各駅停車に。 |
普通 | 45分 | 各駅停車 |
川越特急は池袋~川越間を26分で走るということなので、TJライナーに1分だけ負けてしまいます。
とはいえ、TJライナーは乗車時に有料の着席整理券が必要となる列車。
しかも、これまで下り310円、上り410円で乗車できていましたが、19年3月16日以降は下り360円、上り460円に値上げされます。(ふじみ野発の場合、料金が異なります)
普通乗車券だけで乗れる川越特急はかなりお得と言えるでしょう。
車内では観光案内も実施!
自動の車内放送で川越観光に関するアナウンスを行うほか、一部の車両にはコンシェルジュが乗車。
川越観光についてさまざまな案内をしてもらうことが可能です。
"川越に彩りを加える"ラッピング車両「池袋・川越アートトレイン」
出典:東武鉄道プレスリリース
19年のダイヤ改正に先行し、2月12日からラッピング車両「池袋・川越アートトレイン」の運行も始まります。
運行区間は池袋~小川町間。
運行期間は「当面の間」とのことで、19年3月16日以降は川越特急としても運行します。
「池袋・川越アートトレイン」のデザイン10種とそのモチーフ
川越氷川神社の要素が多めです。
1号車:中福(なかふく)の神楽
出典:東武鉄道プレスリリース
入間・北足立・多摩地方に伝えられてきた、「相模流」と呼ばれる神楽。
中福の神楽もこの流派に属しており、無形民俗として市の文化財に指定されています。
代々、元締は根岸家が務めており、神社で祭りなどが行われるときは、「出方」と称し周囲の協力を得て一座を結成。
中福の神楽「八俣大蛇退治」
演目は古事記や日本書紀に基づくものが多いです。
上の動画の「八俣大蛇退治」もそのひとつ。
4月19日に行われる中福稲荷神社の春祈祷をはじめ、増形白山神社の祭礼や10月の川越氷川祭(川越まつり)などで神楽を奉納することもあります。
2号車:あい鯛みくじ
出典:東武鉄道プレスリリース
人気観光スポット、川越氷川神社にある「鯛みくじ」がモチーフ。
「あい鯛(会いたい)みくじ」や「一年安鯛みくじ」があります。
通常、おみくじは手で"引く"ものですが、鯛みくじでは専用のミニ釣り竿で“釣り上げる”のが特徴。
鯛のオブジェの中にくじの紙が入っているので、鯛ごと持って帰りましょう。
常に手元に置いておくことで、鯛が良縁を連れてきてくれるといわれています。
3号車:喜多院
出典:東武鉄道プレスリリース
国指定重要文化財「川越大師喜多院」(喜多院)。
830年(天長7年)に創建された、歴史あるお寺です。
徳川家との関わりが深く、境内には江戸城紅葉山から移築されてきた「家光誕生の間」や「春日の局化粧の間」など、貴重な文化財の数々が遺されています。
大きな拝殿。
初詣シーズンには、階段が参拝客で埋め尽くされます。
県指定有形文化財の多宝塔。
美しい紅葉の名所としても知られています。
境内にある建物のほとんどが国・県指定の重要文化財です。
とはいえ、普段は地元民たちの憩いの場として利用されています。
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4号車:川越まつり
出典:東武鉄道プレスリリース
川越氷川祭り、通称「川越まつり」は、毎年10月第3日曜日とその前日の土曜日に行われる、川越氷川神社の祭礼です。
関東三大祭りのひとつに数えられており、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
川越まつりといえば、何といっても豪華絢爛な山車は外せません。
川越市の中心地域では、1つの町につき1台以上の山車を所有。
祭り期間中は、各山車が街中を巡行します。
夜には山車同士が向い合せになり、「曳っかわせ(ひっかわせ)」というお囃子勝負も実施(勝ち負けはありません)。
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5号車:花火と風鈴
出典:東武鉄道プレスリリース
川越の夏の風物詩、小江戸川越花火大会の花火と、川越氷川神社の縁結び風鈴が描かれています。
小江戸川越花火大会
毎年8月末頃に開催される川越市内最大級の花火大会。
とても人気のあるイベントで、当日は電車やバスが超満員になります。
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川越氷川神社の風鈴
川越氷川神社といえば、やっぱりコレでしょう。
神社についてよく知らないという方でも、この「縁結び風鈴」は見たことがあるのではないでしょうか。
「天の川に恋の願いが届く様に」という思いがこめられている縁結び風鈴。
今や風鈴は川越氷川神社の代名詞となっていますが、境内に風鈴が飾られる期間は、実はそれほど長くありません。
期間中は夜にライトアップイベントも実施しているので、川越特急に乗ってぜひ遊びに来てくださいね。
6号車:川越氷川神社
出典:東武鉄道プレスリリース
縁結びの神社として有名な川越氷川神社。
初詣スポットとしても全国トップクラスの人気を誇っています。
他の車両に描かれていた縁結び風鈴やあい鯛みくじ、川越まつりはこの神社から生まれたものです。
神社に隣接している氷川会館内には、女性に人気のカフェ「むすびCafe」があります。
ランチや可愛らしいデザートメニューがたくさんあるので、参拝後の小休憩におすすめです。
夏限定の夜のライトアップも必見!
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7号車:菓子屋横丁
出典:東武鉄道プレスリリース
菓子屋横丁は、老舗和菓子店が軒を連ねる、子どもだけでなく大人にも人気の観光スポットです。
平成13年には環境省の「かおり風景百選」に選定されました。
写真は大正3年創業の手作飴の専門店「玉力製菓」。
技術の継承のため、今でもすべて手作業で飴を作っています。
川越名物の長いふ菓子。
車両にもしっかり描かれています。
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8号車:時の鐘と川越城本丸御殿
出典:東武鉄道プレスリリース
川越のシンボルである時の鐘と川越城がモチーフとなっています。
時の鐘
江戸時代初頭から時を告げてきた鐘つき堂です。
現在は機械で鐘を衝いていますが、その美しい音色は環境省の「残したい“日本の音風景100選”」に認定されています。
鐘が鳴る時間は、6時・12時・15時・18時の計4回。
川越城本丸御殿
長禄元年(1457年)に、上杉持朝の命により、太田道真・道灌親子が築城した川越城。
東日本では唯一、本丸御殿が現存しているお城です。
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9号車:大正浪漫夢通りの鯉のぼり
出典:東武鉄道プレスリリース
足つぼを刺激する参道で有名な「川越熊野神社」がある大正浪漫夢通り。
3月末~5月中旬までは、鯉のぼりの大群が力いっぱい大空を泳ぎます。
鯉のぼりのデザインは子どもたちによるもの。
毎年、小江戸川越春まつりの商店街イベントとして、鯉のぼりの色付け企画を実施しています。
自由参加なので、地元民以外でも色付けが可能です。
先着100人までなのでお早めに!
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10号車:新河岸川と桜並木
出典:東武鉄道プレスリリース
川越氷川神社の裏を流れる新河岸川の川沿いは、桜の名所として地元民から親しまれています。
ピンク色の道が続いているように見えますが、これは川です。
川の流れが緩やかなこともあり、この日は水面に桜の花が降り積もっていました。
別の日に撮影したもの。
天気の良い日は舟から桜を楽しむこともできます。
また、毎年、川越春まつりのオープニングイベント開催日の翌日には「春の舟遊」を開催。
18年度は、約700人が舟遊を堪能したそうです。
原画は注目の若手画家・古家野雄紀氏による描き下ろし作品
「池袋・川越アートトレイン」の原画は、画家・古家野雄紀氏による川越をテーマとした日本画。
この企画のために描き下ろしたものです。
古家野氏は「第13回 池袋モンパルナス回遊美術館」の公募展受賞作家で、日本各地で個展も開催しています。
彼の作品の核となるのは「生命」というテーマ。
今回のラッピング列車では、「四季折々の川越の自然と人が織りなす情景を通じて、生命感の連続を群像図と合わせて表現」したとのことです。