狭山茶の原点!川越の特産品・河越抹茶の特徴とその歴史とは

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狭山茶の原点!川越の特産品・河越抹茶の特徴とその歴史とは

埼玉県のお茶といえば狭山茶が有名ですよね。でも、その狭山茶の原点となったお茶は、実は川越で育てられていた河越抹茶なのです。

川越産のお茶「河越抹茶」とは

まろやかな甘みとコクのある深い味わいが特徴の河越抹茶。
埼玉県西部地区、川越市・狭山市・所沢市などを中心とした旧河越領内の茶園で栽培されています。

大きな茶産地としては北限に位置し、他の産地に比べ厳しい冬を越すことから、茶葉にはうま味がたっぷり。

川越の古くて新しい名産品として、注目を集めています。

始まりは南北朝時代から 河越抹茶の歴史

河越抹茶の最盛期から衰退、狭山茶としての復活と、2013年に実現した河越抹茶の再生までの歴史を振り返ります。

武蔵武士の繁栄と共に歩んだ南北朝時代の河越抹茶

南北朝時代の初学者向け教科書である「異制庭訓往来」によると、当時、武蔵河越は「天下の茶所」に名を連ねる土地のひとつでした

茶の名園5場のひとつであり、関東唯一の茶として全国で名を轟かせていた河越抹茶は、関東の多くの武将から愛されていたそうです。

しかし、戦国時代に突入し、寺院や武士が衰退していくとともに、河越抹茶の名は徐々に失われていったといわれています。

武蔵武士・河越氏の館跡には、今でも茶が植わっています

川越市上戸にある河越館跡史跡公園の一画には、小さな茶畑があります。
奥に見えるのは川越市立上戸小学校です。

かつてこの場所に住んでいたという武蔵武士・河越氏は、館の前庭で茶を栽培して飲んでいたといわれており、館跡からは茶臼や風炉といった茶道具が発掘されています。

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狭山茶として蘇った河越抹茶


出典:入間市HP

埼玉県入間市宮寺にある出雲祝神社には、茶づくりについて記された「重闢茶場碑(かさねてひらくちゃじょうのひ)」という石碑があります。

これは、宇治で開発されたという新たな製煎茶法を取り入れた茶づくりの復興の記念として、天保3年(1832)に建碑されたものです。

この時につくられた煎茶が、後に狭山茶と呼ばれるようになります。

「重闢(かさねてひらく)」とは、「かつて衰退してしまった茶の生産を再開する」という意味です。
碑文には日本茶の歴史や、武蔵河越茶が狭山茶として蘇るまでの経緯などが記されています。

「抹茶」から「煎茶(現代の茶)」への変化

川越抹茶の最盛期だった南北朝時代の頃は、まだ煎茶の技術がなかったため、お茶といえば「抹茶」でした。

しかし、江戸時代後期(1800年代前半)になると、京都で宇治製法と呼ばれる煎茶の技術が確立され、「煎茶」が誕生します。

この宇治製法は瞬く間に全国へと広がっていきました。
現在、私たちが飲んでいるお茶も、この製法がベースになっているといわれています。

もちろん狭山茶も例外ではありません。

川越 中院には「河越茶・狭山茶発祥の地」の石碑も

かつて境内で茶を栽培していたという川越市の中院。
河越茶の歴史はこの場所から始まったといわれており、境内には「狭山茶発祥之地」の石碑があります。

「狭山茶の起源は河越茶にあるから、河越茶の起源であるこの場所が狭山茶発祥の地だ!」という理論ですね。

現代でも中院はお茶との関わりが深く、大書院などでは定期的に茶会が開かれています。

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約400年の時を経て… 河越抹茶の復活!

2012年、NPO法人川越PLUS(現:NPO法人河越抹茶の会)「河越茶Rebornプロジェクト」を立ち上げました。
プロジェクトの目的は、その名の通り“河越茶を現代に蘇らせる”こと!

彼らの活動は約1年かけて実を結び、2013年4月、川越市産業観光館 小江戸蔵里で「河越茶」の販売が始まりました。
その後、次々と市内のお店で河越茶(抹茶)を使った商品が売り出されるようになります。

上の写真は「寿庵」(蔵のまち店)の「小江戸姫」。
茶そばには川越抹茶が使われています。

こちらは「CAFE ANTI(カフェ アンティ)」の「河越抹茶 練乳ホイップ」かき氷。

色鮮やかな抹茶メニューは女性を中心に人気を集めています。

「川越抹茶」ではなく「河越抹茶」と表記する理由

ACROSS THE RIVER 「河越抹茶あんティーオレ」

「河越抹茶」という表記を見ると、多くの人は「あれ、何で河越なの?川越じゃないの?」という反応を示します。

もちろん「河越」というのは誤字ではありません。
実は、「カワゴエ」の漢字表記は時代によって異なるのです。

鎌倉~室町時代までは、ほとんどの書物で「河越」という字が使われていました。
本格的に「川越」と表記されるようになったのは、江戸時代以降のことです。

河越抹茶が「河越」と表記しているのは、南北朝時代に飲まれていたお茶を復活させたため。
その当時の表記ルールに従い、あえて「川越」ではなく「河越」としているのです。

↓こちらでより詳しく解説しています。

川越の由来は「川を越えるから」って本当?「河越」との違いは?

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河越抹茶を使った商品

河越抹茶を使用している商品の一部をご紹介します。

牛乳で作る 河越茶 抹茶ラテ・ほうじ茶ラテセット

牛乳とブレンドするだけでお洒落な抹茶ラテ・ほうじ茶ラテをつくれるセットです。
牛乳の代わりに豆乳を使えば、あっさりヘルシーな味わいに。

抹茶入り玄米茶 小江戸紅茶

川越市内で河越抹茶製品を販売している十吉のティーパック。
自宅で手軽に小江戸のお茶を楽しめます。

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富築(水先)

埼玉県と美味しいもの・可愛いものが大好きなwebライター。川越在住。
蔵の町周辺をよくぶらついています。
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