県内屈指の難関校、川越高校で開催される文化祭「くすのき祭」の様子を来場者目線でご紹介します。
ちなみに私は卒業生でもなければ、生徒の身内でも何でもありません。ただの一川越市民です。
目次
2021年の川越高校・くすのき祭は?
21年のくすのき祭は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンライン公開のみとなりました。現地へ行っても入場できません。
オンラインくすのき祭は、みんなでバーチャル空間に集まって遊べるオンラインサービス「バーチャルSNS cluster(クラスター)」や、YouTube(発表系参加団体の公演)を利用して開催されます。
誰でも参加・閲覧できるので、今年のくすのき祭は自宅からオンラインで楽しみましょう!
clusterとYouTubeは9月11日から順次公開。水泳部の発表はYouTubeで見られますよ!
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21年のくすのき祭の門
21年の門のモチーフは、かつて琉球王朝の王城だった沖縄の首里城です。
首里城は沖縄県内最大規模の城でしたが、19年の火災により、正殿をはじめとする多くの建築物や工芸品が焼失・焼損してしまいました。そんな首里城を川越高校の生徒たちが川越の地に再現します!
9月1日時点での進捗状況はこちら。
完成までもう少し___!!!! pic.twitter.com/cIgQz0S8Ct
— JAMIRA (@JAMIRA_take) September 1, 2021
完成が待ち遠しいですね!
川越高校ってどんな学校?
埼玉県内の公立校ではトップレベルの埼玉県立川越高等学校。通称、川高(かわたか / かわこう)。
東大や京大、早稲田大といった難関大学へ、毎年多くの生徒を輩出しています。2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏も、なんとこの高校の卒業生です。
川越高校のモットーは文武両道。勉強だけでなく、部活やイベント行事にも常に全力投球です!運動部・文化部ともに、県大会や全国大会(コンクール)等で輝かしい成績を残しています。
本当に高校の文化祭なのか疑いたくなる「くすのき祭」
「くすのき祭」は、毎年9月初旬に開催される川越高校の文化祭です。名前の由来は、高校創立当時から正門前に生えているという2本のクスノキから。
同文化祭の特長は、「高校の文化祭」レベルを完全に超えていることと、地元民から絶大な支持を得ていることです。
外部からの来場者がかなり多く、2017年度は2日間で1万7,712人が来場しました。お客さんの年齢層は、高校の文化祭にしては比較的高め。中高生よりも大人の方が圧倒的に多いです。
そんなくすのき祭の花形イベントは、何といっても水泳部の「男子シンクロナイズドスイミング」でしょう!2001年公開の映画「ウォーターボーイズ」のモデルにもなったことから、全国的に注目を集めています。
くすのき祭は正門をくぐるまでが長い
※本記事では、2017年度のくすのき祭の様子をお伝えします。
文化祭期間中のみ、JR・東武東上線「川越駅」と西武新宿線「本川越駅」から直通バスが出ています。
くすのき祭の開場は9時。私は9時過ぎに本川越駅に到着したのですが、既にかなりの人が並んでいました。
高校まではバスで10分~15分程度。料金は180円です。
バスを降り、案内役の生徒たちに従って歩いていくと、川越高校のすぐそばにある川越第一小学校へと連れていかれました。「何で高校の目の前をスルーするんだ?」と首をかしげていると、目の前に想像を絶する光景が。
ここに並んでいる人たちは全員、くすのき祭の来場者です。既に開場しているにもかかわらず、これだけの待ち行列ができていました。同文化祭の注目度の高さがうかがえます。
私は6列目に並びましたが、高校の正門をくぐるまでに40分以上かかりました……。まるで千葉の夢の国に来た気分です。
ただ、小学校の敷地内で川高生(川越高校の生徒)が絶えず見回りや来場者への案内を行っていたのには、とても感心しました。パンフレットやチラシを配るだけでなく、列を整えたり、熱中症対策のためにドリンクを売り歩いたり。本当によく働いていました。
私と同じ列に並んでいた親子もその様子を見て、「どんなサービス業でもやっていけそう」「凄くしっかりしてる」と大絶賛。そして同時に「え、ここに合格したら、来年は俺があれをやるってこと?」と、ちょっと困惑していました……。
正門を抜けると、そこは男まみれだった
40分以上並んだ末に、ようやく正門をくぐることができました。
入り口にそびえ立つ巨大門
これも毎年恒例。正門前で来場者をお出迎えする巨大門です。
くすのき祭では「門班」と呼ばれる集団が、実際に存在する城や教会などをモチーフに大きな門を作ります。17年度のモデルはカザフスタンのゼンコフ教会。
外観もド迫力ですが、中もハイクォリティでした。
門班さんたちの作業風景。
ペンキがよく乾く天気のもと、滞っていた色塗りと取り付けを急ピッチで進めています!
しかし天気予報を見るとくすのき祭寸前は雨の予報…
今よりペースアップせねば!くすのき祭まで6日!
門の全体像が見えてきたので、門の写真をSNSに投稿することはおやめください。#門班日誌 pic.twitter.com/s7xLrWHQn0
— 70th 川越高校 くすのき祭 門班 (@kawako_mon) 2017年8月27日
「いやいや、どうせハリボテなんじゃないの?」「凄いって言っても高校生レベルでしょ?」と思っている方は、ぜひ下の動画をご覧ください。
この動画は16年度の制作過程をまとめたものです。彼らがどれだけ本気で門造りに取り組んでいるのかがよく伝わってきます。もはやプロジェクトX…!
門の先で待機している男子の群(食い気味)
ゼンコフ教会の門の先には、男たちの熱気が待っています。
とにかく呼び込みに必死。ノルマでもあるのかと思うくらい必死。ゼンコフ教会の感動を忘れてしまうくらい必死。
ドリンクやアイスを販売する「のれん会」のテント群。ヤバそうでヤバくない、ちょっとヤバいタピオカ屋さんが印象的でした。
お手洗い。こういった張り紙を見ると、「男子校の文化祭に来たんだな」という実感がわきます。
階段の段差もフル活用して集客!
食堂で遅い朝食
食堂の前で食券の販売所を発見。「一番人気はカレーですけど、カツカレーはどうですか?」とよく分からない勧められ方をしたので、カツカレーを食べることに。
食堂は普通です。
勧められたカツカレー。カツが柔らかくて食べやすかったです。カレーも美味しい!でも朝食メニューではないですね!
食堂のそばではスパゲッティやカレー弁当、総菜パンなどが売られていました。
冷たいドリンクも販売。
「高校の文化祭は食中毒が心配」という方も少なくないかと思いますが、これなら安心して食事がとれますね!
吹奏楽部の演奏
メイン1発目は、ドラマ「WATER BOYS」の“あの曲”(シンクロBom-Ba-Ye ~WATER BOYS~)でした。川高らしい演出です!出だしの「チャッチャッチャ チャチャチャッ♪」の音が、いかにも「青春真っ只中!」という感じで清々しい。
メイン2曲目はアニメ「けものフレンズ」の主題歌「ようこそジャパリパークへ」。吹奏楽部が演奏すると、壮大なイメージになりますね。
テンポの良い明るい曲なので、数年後には高校野球で流れていそうな気がします。(19年8月追記:18年に青森高校、19年には宇和島東高校が同曲を応援歌として演奏していました)。
室内企画など
教室内での出し物は、喫茶店や研究発表など定番モノをはじめとして…
実に多種多様。
同行した夫を誘ってみたところ、「何が悲しくて休日に女装男子に接客されなきゃいけないんだ」と断固拒否されました。
下は應援團の展示。
2017川越高校応援部演技発表会・川高節の動画。
團長さんの未成年らしからぬ圧が頭から離れません。この文化祭の翌日に、第52代幹部が引退したそうです。
屋外イベント
校舎外では、女装コンテストが異様な盛り上がりを見せていました。
これも毎年の恒例企画です。文化祭が近づいてくると、川越駅周辺ではコンテストの事前投票が行われます。もちろん当日投票もOK。
川越駅前で川越高校文化祭の女装コンテスト投票やってた。Twitter上げ許可貰ってます。壁打ち垢の自分じゃ大して力にはなれませんが地元高校なので応援したいので良かったら拡散していただけると喜びます。11番13番あたりが人気らしい…#拡散希望 #川越高校 pic.twitter.com/6RogvZDup2
— EMI@日曜『風林火山』 (@emk_oldrose) 2017年8月21日
確かに13番の子は可愛かったです。
見ないと損!川高名物、水泳部による男のシンクロ!
※撮影NGなので、残念ながら公演中の写真はありません。(関係者のみ撮影OK)
元祖Water Boys、川越高校「男のシンクロ」。超絶怒濤の大人気イベントです。くすのき祭に来たからには、やはりこれは見ておくべきでしょう!
下の写真は最終公演の様子。
青春のクライマックスを感じました。 pic.twitter.com/UEFkh9ZT74
— 佐井章人 (@Akito_10_5) 2017年9月3日
ちょっと分かりにくいのですが、左側の校舎(理科棟)の窓にもたくさんの観覧者がいます。17年度の総来場者数は8,428人だったそうですが、理科棟から見ていた人もカウントに含めたら、もっと凄い人数になるはず。
下は練習風景と公演スケジュールです。
9月2,3日、くすのき祭で
「男のシンクロ:WATER BOYS 」
やります!!(元祖!)30周年ということで、演技も装飾も気合十分!!
笑い、キモさ、かっこよさ、詰まってます💪🏽
黒い筋肉男どもに注目!
暇な人はもちろん、受験生も息抜きに来てね!
来てね!!!!! pic.twitter.com/QIbII5gaBV
— ろく (@6six6roku) 2017年8月28日
このスケジュール表では、公演毎に30分間の休憩タイムが設けられていますよね。しかし実際は、彼らに休む暇などほとんどありません。30分間の演技が終わった後は、来場者との記念撮影タイムが待っています。さらに、一列に並んで退場者をお見送りして、新しい来場者も明るく迎え入れるという神対応!
しかも、公演毎に演出が変わるというこだわりっぷり!大筋の流れは同じですが、ちょっとした小ネタが毎回変わります。
そんなハードな状況にもかかわらず、常に笑顔を絶やさない彼ら。もちろん来場者へのサービスも忘れません。
きっと彼らは、将来どこへ行っても上手くやっていけることでしょう……。本当に尊敬してしまいます。
さて、そんな素晴らしいシンクロですが、会場のプールで見るのは結構大変です。
1つ前の公演が終わらないうちに、この長蛇の列。恐らく先頭の人は1時間前から待機していると思います。
ただ、並べば必ず入場することはできるので、並び損になることはありません。プールサイドで見たい方は諦めずに並びましょう。
男子のシンクロは、まずプールサイドで1回見た後に、理科棟の2階や3階から鳥瞰でもう1回見るのがおすすめです。プールサイドではド迫力の演技を楽しんで、理科棟からはフォーメーションの美しさを堪能しましょう!
川越高校へのアクセス
時の鐘から一直線に歩けば着きます。川越観光のついでに文化祭へ遊びに行くのもおすすめです。
西武新宿線「本川越駅」から
- 臨時バスあり
- 徒歩の場合は約20分
- 路線バスを利用する場合、4番もしくは5番のりばから乗車。「一番街」または「川越高校前」下車。
JR・東武東上線「川越駅」から
- 臨時バスあり
- 徒歩の場合、約25分
- 路線バスを利用する場合、東口の「東武バス」もしくは西口の「イーグルバス 小江戸巡回バス喜多院先回り」に乗車する。それぞれ「一番街」「市民会館前」「大手町」「グラウンド入り口」(東武バス)、「川越高校前」(イーグルバス)下車。