成田山川越別院本行院では、毎年11月23日に火渡り祭りが執り行われています。
22年の火渡り祭り
11月23日に13時から開催されます。
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川越不動、成田山川越別院本行院とは
成田山川越別院本行院は、1853年(嘉永6年)に創建した真言宗智山派の寺院です。千葉県成田市の成田山新勝寺の別院にあたり、「川越不動」とも呼ばれています。
本尊は不動明王。
毎月28日には蚤の市、11月には火渡り祭りが催されます。
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火の上を歩いて渡る「火渡り祭り(火渡り護摩供養)」
野外で火を燃やし、仏に供養祈願する密教の修法のことを「柴燈護摩」(さいとうごま)といい、さらにその火の上を歩いて渡ることを「火渡り」といいます。
成田山川越別院では、毎年11月23日にこの火渡りを開催。残り火の上を素足で歩くことにより、「心の迷いを焼き尽くし、明るく生きていく意欲が生まれ、念願成就の霊験を得ることができる」といわれています。
御利益は、家内安全・商売繁盛・交通安全・無病息災・開運成就・学業成就・良縁成就など。
毎年たくさんの参拝客がこの火渡りに挑戦しています。老若男女問わず人気のお祭りです。
成田山川越別院本行院の火渡り祭り
※2019年の火渡り祭りの様子です。
境内の売店の看板。寒い日に嬉しいメニューが並んでいました。
火渡り祭りが始まる15分前に到着。既に大勢の人でごった返していました。
本堂の脇には「安全第一」を意味する緑十字の旗が。
境内に設置された護摩壇(ごまだん)。早い話が点火する台です。四隅に杭を立てて結界を作り、中央に炉となる薪を積んだ後、桧葉(ひば)で覆っています。
火渡り祭りの開幕。町内を巡ってきた山伏たちが、ほら貝を吹きながら境内に入ってきました。
大導師と山伏らが護摩壇の前に立ち、祭文之儀(さいもんのぎ)などの神事を執り行います。
法剱(ほうけん)之儀。「お不動様の利剣(りけん)を借り、悪魔を切り払って欲・怒り・無知の三毒を断つ」という意味が込められているそうです。
宝弓(ほうきゅう)之儀。東・西・南・北と中央に五大明王(不動明王など)を呼び出して、道場の守護を願う作法です。四方位から護摩壇に向けて弓を引きます。
一通りの作法が終わった後は、閼伽水(あかみず)で護摩壇を清めて、いよいよ点火之儀へ。
大きな松明を持った山伏が登場します。
煩悩に見立てた薪に点火。
すぐに白い煙が立ち上ってきました。
煙の量は想像以上の早さで増していき……
風が強かったこともあり、一部の観客が煙に飲み込まれる事態に。
少しだけ煙の量が減り、炎が見えてきました。こんなに燃えるんですね…、凄い迫力です。
煙が収まり、大導師による主法が見えてきました。
両サイドから長い竹を持った山伏が登場。火渡りする道を作るため、少しずつ地ならししていきます。
薪が燃え尽き、かなり火が小さくなってきました。いよいよ山伏たちによる火渡りが始まります。
皆さん堂々と歩いてらっしゃいましたが、絶対に熱いはず……。火が小さくなったとはいえ、まだまだ燃えている状態です。日頃の修行の賜でしょうか。
さらに火が落ち着くのを待ってから、一般客の火渡りが始まります。
このお祭りでは火の中を歩きますが、実際はござの上を歩くので火傷することはありません。
とはいえ、熱いことに変わりはなく、つま先立ちで歩く人や、猛ダッシュで駆け抜ける人などもいました。
渡り終わると、大導師から加持(かじ)を受けられます。
火渡りへの参加は事前申請が必要ですが、現地の受付で申し込みをすれば、当日の飛び入り参加も可能です(初穂料3,000円~2万円)。タイミングを見て、係の人が呼びかけてくれます。
火渡り中は大衆の注目の的に!渡り終わった人たちに感想を聞いてみました。
- 序盤に挑戦した人:熱かった
- 終盤に挑戦した人:思っていたよりも熱くなかった、温かかった
熱いのが怖くて参加をためらっている方は、終盤の方に並んだ方が良いのかもしれません。ただし、序盤に渡った方がござは綺麗です。
足腰の弱い方や子どもには、山伏の補助が付きます。
男性が手に持っているのは「火渡り之証」です。
「無事に火渡りを終えて諸祈願をしました」という証のお札で、事前に願い事と氏名を浄書した上で、火渡りに持参します。
手水鉢(ちょうずばち)周辺は、足の裏を洗いたい人々で混み合っていました。
ござが敷かれているとはいえ、足の裏は真っ黒に。
足を洗った後は、本堂前の階段で靴を履きます。
「どうだった?熱かった?」
「思ってたより熱くないんだねー」
「何お願いしたの?」
など、様々な会話が聞こえてきました。
火渡り後でテンションが上がっているためか、とても賑やか。
全員の火渡りが終わると、大導師と山伏の一行が本堂へと向かいます。
これにて火渡り祭りは終了です。
川越不動の火渡り祭りは、想像以上にインパクトのあるものでした。特に燃え上がる護摩壇は迫力満点!
ちなみに、見学しているだけでも髪や服に煙の臭いがしっかり付いてしまいます。服装には気を付けてくださいね。
成田山川越別院本行院へのアクセス
- JR・東武東上線「川越駅」もしくは西武新宿線「本川越駅」から東武バス乗車、「下松江町」下車、徒歩4分
- JR・東武東上線「川越駅」から徒歩22分
- 西武新宿線「本川越駅」から徒歩13分