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花咲き乱れる赤い道と、蔵の街の裏遺産“弁天横町”

投稿日:2016年10月3日 更新日:

【注意】この記事には綺麗なお花は登場しません。

今回はかつて遊郭街だったエリアの散策です。
喜多院裏にある赤線地帯と、蔵造りの街の先にある花街、弁天横町へ向かいます。

赤線とは

1958年3月以前、警察公認で売春が行われていた地域のことです。

赤線地帯には売春目的の特殊飲食店が集まっていました。
警察では、この様なエリアを地図に赤い線で囲んで表示していたことから、「赤線」と呼ばれる様になったと言われています。
東京都墨田区の「玉の井」や「鳩の街」、江東区の洲崎などが有名な赤線地帯です。
昭和時代の小説をよく読む方には、馴染みのある地名かもしれません。

当時、埼玉県は公娼を認めない「廃娼県」でした。
しかし、大宮や熊谷には「旅館」・「料理屋」という建前で、遊郭が存在していた様です。
また、川越にも「乙種飲食店(達磨屋)」という名目で、喜多院の裏手(西側)に赤線地帯が広がっていました。

これら赤線地帯は、1958年4月1日に施行された「売春防止法」によって廃止されています。
現在はその様な行為は一切行われていません。

赤線と青線

赤線とペアで語られることの多い青線。
赤線が公認の売春地帯であるのに対し、青線は非公認・非合法の売春地域のことを指します。

喜多院裏に見る赤線地帯の妓楼建築

喜多院の西側
喜多院の西側。
現在はちょっと良い家の立ち並ぶ、閑静な住宅街です。
かつて「(乙種料理店数)二○軒、娼妓八一名」を抱えていた赤線地帯とは思えません。
(参考:全国女性街ガイド

和洋御食事処 栄
まずは一軒目。大正13年築の元・乙種料理店です。
現在は「和洋御食事処 栄」となっています。

古民家風レストラン
とてもお洒落な古民家風レストラン。
店内には、有名芸能人のサインも多数飾られています。

手すりのステンドグラス
2階部分の手すりのステンドグラスは当時のまま。

都市景観重要建築物
川越市の「都市景観重要建築物」に登録されています。
通常、こういったエリアは街の裏歴史として包み隠されるものですが、川越では歴史的建築物として再利用している様です。

メニュー
ちなみにおすすめは洋風ランチ。
メニューはコロコロ変わりますが、まずハズレることはないです。

普通の住宅街
次の建物へと向かいます。
本当にいたって普通の住宅街です。

旅館市むら
2軒目は「旅館市むら」。
どストレートな転業旅館です。
こちらも川越市の「都市景観重要建築物」に登録されています。
この建物が最も妓楼らしさを残していました。

2階
建物の手入れはしっかりと行き届いている様です。

市むらの裏手へ
住宅の隙間から市むらの裏手に回り込めます。

旅館の裏入り口
ありました!旅館の裏入り口です。
この「いかにも」な感じがたまりません。

周辺は普通の住宅街
裏入り口の看板を通り過ぎると、また普通の住宅街に繋がります。

てんぬま
住宅街のブロックをぐるっと回り込んで3軒目。
立派な古民家です。とても元・妓楼とは思えません。

小道
お店の裏手には、またしても小道が続いていました。

てんぬま
現在は「てんぬま」という天ぷら屋になっています。

ランチセット
限定20食のランチセット。なんとこれで1000円!
何を食べても美味しいので、夫婦でよく利用しています。

白舟
てんぬまのお隣にある重厚な古民家は、かつて旅館だった様です。
看板などは取り外されていますが、玄関には「白舟」と書かれた外灯がついていました。

 

和洋御食事処 栄
玉の井や鳩の街も見に行ったことがありますが、赤線地帯だった名残は極力表に出さない様に補修・改修されていました。

一方、川越の妓楼建築は市によって保護・再利用されています。
赤線地帯の名残を「隠すべき裏歴史」として廃れさせるのではなく、あえて当時の貴重な建築物として護っていく。
川越市のこの様な考え方は非常に珍しいケースだと思います。

蔵造りの街の先にある“弁天横町”

弁天横町
蔵造りの街並みを抜け、札の辻の交差点を通過すると、右手側に小さな路地があります。

アーケード
クラブ 浮世、ロートレック、小料理 悦、パブ 河…。

「弁天横町」と呼ばれるこの路地は、戦前から残る古い花街です。
戦後までは芸者衆がおり、華やかな路地だったと言われています。
しかし今となっては見る影もありません。

廃墟
一歩足を踏み入れると広がる廃墟感…。
戦後に廃れてからそのまま放置されているかの様な荒みっぷりです。

荒れ放題
喜多院裏の赤線地帯が綺麗に修繕・保全されているのに対して、こちらは荒れ放題でした。

ロートレック
ロートレックの看板。
アーケードの看板には4つの店名が書かれていましたが、店の看板を見つけられたのはこの店だけでした。

元芸者置屋
この辺りは花街の元芸者置屋(芸者さんたちの住居)「二葉」という建物だったそうです。
少し前までは、奥の白い建物で元芸者だった女将が「小料理 悦」を営んでいましたが、今は看板が取り外されています。

草ぼうぼう
元「小料理 悦」の対面。草ぼうぼうの空き地です。

丸窓とトンネル路地
妓楼っぽい匂いのする丸窓とトンネル路地。

トンネル路地
トンネル路地はこの先の民家の敷地内へと続いていました。
花街時代は芸者さんたちや遊客が往来していたのかもしれません。

弁天横町ギャラリー
弁天横町最深部の長屋。
NPO法人によって改修され、ギャラリーとして使用されている様です。

「弁天横町ギャラリー」の内部。
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出典:川越蔵の会Facebook

 

弁天横町
川越の華やかな観光地の裏側には、大正・昭和時代の遺産がたくさん眠っています。
喜多院裏も弁天横町も、日中帯は常に地元民が行き来しているため、決して危険な場所ではありません。
ちょっとアンダーグラウンドな場所を散策してみたい、という方はぜひ一度足を運んでみてください。

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