21年4月3日にオープンした川越氷川神社の直会殿(なおらいでん)。同神社に隣接する氷川会館の別館として建てられた施設です。
4月25日に開催された開業記念特別ランチ会に参加してきました。メニューは時期によって変わりますが、直会殿で会食を行う際の参考にしていただけれは幸いです。
祭祀後の食事会に。川越氷川神社 直会殿(なおらいでん)
21年4月3日、川越氷川神社の向かいに直会殿がオープンしました。同神社での結婚式や祈願後に食事会を行える、家族婚・少人数婚対応の施設です。
直会殿は、同神社の隣にある結婚式場・氷川会館の別館として建てられました。氷川会館は、20年7月31日から建て替え工事のため休業しています。
なお、一般的に「直会殿」は「なおらいどの」と読みますが、本施設の名称は「なおらいでん」です。
「直会」とは
「直会」は神事を構成する行事のひとつです。
直会では、祭祀のラストに参加者みんなで神酒(みき、神様にお供えする酒)をいただき、神饌(しんせん、お供え物のこと)を食します。……と説明すると、ものすごく複雑な行事のように思えますが、すごーく簡単に言えば、直会は「メインイベントが終わった後の打ち上げ」です。
祭祀後に神酒と神饌をいただくことで、神霊との結びつきが強まると言われています。そして、神霊の力を分けてもらえて、加護を受けることができる、というのが直会の考え方です。
そのため、川越氷川神社の直会殿でも、神前にお供えした食材を使った料理が提供されます。
直会で出される料理は、神饌の内容に左右されます。
また、神饌にはその土地でとれた食材を採用する傾向があるため、直会の料理が郷土料理と同一であるケースも少なくありません。
食事会に特化した川越氷川神社直会殿の造り
直会殿には、2つの会場と新郎新婦用の控室が設けられています。
会場は最大40人が着席可能な「六花(りっか)」と、最大16人まで利用できる「八雲(やぐも)」。どちらも木造ならではのシンプルかつ上品なデザインが印象的です。
立花
六花の特徴は、ゆとりある広々とした空間と、広場を望む大きな窓。四季折々の草花や川越氷川神社を眺めながら食事ができます。
日当たりと風通しが良いテラス席。私が訪問したときは、子供連れの親子が利用していました。
八雲
八雲は家族や親族の集まりなど、少人数での会食に適した部屋です。
六花ほどの広さはありませんが、最大16人が余裕をもって座れます。
ぬくもりを感じる木造建築
「光と風」「清らかさ」「心地よさ」をテーマに設計された直会殿。
環境に配慮し、建材には無垢の木材が使われています。また、左官の塗り壁を採用。時の経過とともに味わいが増す建物に仕上がっています。
屋外にあるトイレの外壁にも木が使われていました。一見、トイレとは思えないオシャレさです。
直会殿の入口には、氷川神社の社紋である「雲菱」が描かれています。
直会殿前の「神社広場」
直会殿の前には、緑豊かな「神社広場」があります。
広場を望む立花のテラス席のそばには、花桃(はなもも)の木が植えられていました。古来より桃は、災いを除き福を招く植物であると言われています。
川越氷川神社 直会殿のメニュー例を紹介!
直会殿では、氷川会館の婚礼料理でもある「和ふらんす」スタイルのメニューが提供されます。箸で食べられる、和食とフレンチを掛け合わせた新感覚の料理です。
味付けは和食寄り。老若男女問わず、気負うことなく美味しい料理を楽しめます。
料理人のリーダーを務めるのは、氷川会館の総料理長で川越市出身の伊藤氏。
都内の一流ホテルのフレンチレストランで修業を積んできた同氏が生み出す料理は、フレンチの枠にとらわれない柔軟かつ新しい世界観が魅力です。
そして、デザートを担当するのは、13年から氷川会館のシェフパティシエを務めてきた及川氏。
同氏はSNSで人気を博した、氷川会館のむすびcaféのデザートも多数手がけています。
直会殿 開業記念特別ランチ会に参加してきました
21年4月25日、直会殿の料理を楽しめるランチイベントに参加してきました。
メニューは魚・肉料理を含むフルコース。品数もボリュームも多く、最後には満腹になりました!
フレンチスタイルの料理と伺っていたので、ドリンクはワインを注文。
ほどなくして、オードブル5種とサラダの盛り合わせが運ばれてきました。華やか!
前菜から予想以上のボリュームで、びっくりしました。
次に運ばれてきたのが、もっちもち食感の自家製パン。オリーブオイルをつけていただきます。
パンもオイルも、どちらも美味。特にパンは、パン単品で販売して欲しいくらい気に入りました。
パンと一緒に食べた「春キャベツと新玉葱のスープ」。春キャベツの優しい甘さを堪能できる上品なスープでした。
メイン1品目は「鰆のグリル 春色のクラムチャウダー仕立て」。皿の縁にかかっているソースには、菜の花が使われています。
淡白な鰆とクラムチャウダーの濃厚な風味が相性抜群。見た目も味わいも春らしい一皿でした。
メイン2品目は「鴨胸肉の低温調理 季節の野菜を添えて」。鴨胸肉に赤ワインのソース、皿の縁にはグリーンマスタードのソースがかかっていました。
肉はナイフで簡単に切れる柔らかさ。ピリッと辛いグリーンマスタードソースが良いアクセントになっていました。
デザートは「川越いものアイスケーキ」です。いちごソルベとさつまいもも添えられています。
ケーキ状のアイスは濃密でどっしりとした触感。一口食べると、さつまいもの風味が口いっぱいに広がります。
コーヒーを飲み終えた頃にはすっかり満腹に。
どの料理も色鮮やかで美しく、まさにお祝いの席にふさわしいコースメニューでした。
川越氷川神社 直会殿へのアクセス
JR・東武東上線「川越駅」・西武新宿線「本川越駅」から東武バス乗車、「川越氷川神社」バス停下車、徒歩1分。