日本を代表する技術者やスポーツ選手を数多く輩出している埼玉県立川越工業高等学校。
同学校の活動内容や文化祭は、テレビ番組や新聞でもよく取り上げられています。
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川越が誇る"技術"の学府 川越工業高等学校とは
出典:Wikipedia
1908年(明治41年)に創立した埼玉県立川越工業高等学校は、埼玉県内最古の工業高校です。通称「川工(かわこう)」と呼ばれています。
設置学科は、デザイン科・化学科・建築科・機械科・電気科(全日制)と、工業技術科(機械類型・電気類型)・普通科(定時制)。
WALKMAN(ウォークマン)を開発した高篠静雄さんや、Suicaの開発に従事した椎橋章夫さんなど、数多くの技術者を輩出している学校です。
また、埼玉県のマスコットキャラクター「コバトン」は、同校の授業中に誕生しました。
部活動もとても盛んで、甲子園には過去2回出場しています。自転車競技部・庭球部・柔道部は県内でもかなりの強豪です。
エボルタチャレンジ!パナソニックと共同でギネスに挑戦
2015年11月3日、パナソニックと川越工業高校電気科の電車班は、「Longest distance traveled by a vehicle on a railway track powered by dry cell batteries.(乾電池で走る車両が線路上を走行した最長距離)」のギネス記録に挑戦しました。
川越工業高校の生徒が車両の設計・制作を担当。単1形乾電池「エボルタ」を動力源に見事目標の約22.6kmを完走し、ギネス世界記録を達成しました!
川越工業高校の文化祭の特徴と概要
毎年10月に開催される川越工業高校の文化祭「工業祭」は、普通の高校の文化祭とはひと味違います。
文化祭の定番である喫茶店やお化け屋敷に加え、
- ジェルキャンドルの販売&スライム作り体験
- バスボムの体験&販売
- 七宝焼の販売
- 建築科ものづくり体験
など、作品の販売や体験イベントが豊富なのです。
そして一番の目玉が、電気科による校内の電車走行。
学校の敷地内を電車が走るのは、川越工業高校だけとのこと。そのため、よくメディアでも取り上げられています。
下は文化祭直前の作業の様子。
電車班広報部Nです!
昨日の試験走行において、遠隔操作による自動運転の実験を行いました。
最初にコンピュータ側で発車合図を出すと自動で運転を行う内容です。
実験は無事成功しました!
本日は雨のため、室内作業になりますが改善する点もあるため、工業祭に向けて全力を尽くしていきます。 pic.twitter.com/Lp7jtChDsE— 川越工業高等学校 電車班 2019 (@KTHS_Train_2019) October 24, 2019
2019年度 工業祭の日程&アクセス
- 10月26日(土)11:00~15:00
- 10月27日(日)10:00~15:00
- 西武新宿線「本川越駅」徒歩9分
- JR・東武東上線「川越駅」徒歩13分
- 東武東上線「川越市駅」徒歩15分
これが川越工業高校の文化祭「工業祭」だ!
※2017年度の様子です。
私も高校時代は文化祭に力を入れていたものですが、工業高校のそれは、さすがに次元が違いました。
入場ゲートからクォリティが凄い!
工業高校に入るのは初めてだったのでウキウキしていたのですが、当日はあいにくの雨。いつもはお客さんで大いに賑わっている文化祭なのですが、この日ばかりは人がまばらでした。
工業高校が本気で門を造るとこうなる
川越工業高校アーチ班2017による入場門。とにかく巨大で、細部までがっつりと造り込まれています。
こんばんは!川越工業アーチ班です!更新遅れて申し訳ありません。
さて、無事にアーチが完成し工業祭が終了しました!
皆様見ていただけたでしょうか?
お仕事や遠方で来られなかった方の為に画像を載せたいと思います! pic.twitter.com/DJwN1sUFIu— 川越工業高校アーチ班2017 (@kawakouarch2017) October 31, 2017
建物の上部には校章と、川越工業高校110周年を記念する「110th Anniversary」の文字が。
下の写真は制作過程です。
こんばんは!川越工業アーチ班です。
本日活動がありました。工業祭まで一ヶ月を切りみんな一生懸命放課後や休日に作業をしています!工業祭まであと30日!! pic.twitter.com/BNL96LW9ce— 川越工業高校アーチ班2017 (@kawakouarch2017) September 29, 2017
こんにちは!川越工業アーチ班です!川越工業では文化祭準備日に入りました!アーチ班も頑張って作業しています!
そして今日、上棟式を行いました!
工業祭まで残り2日!当日はたくさんの方に来ていただけると嬉しいです! pic.twitter.com/kSLIy2EI6y— 川越工業高校アーチ班2017 (@kawakouarch2017) October 26, 2017
この「本格的」感はさすがとしか言いようがありません。私の知っている“高校”とは明らかに違う……!
和気あいあいとした雰囲気の工業祭
門を抜けると受付があります。ここで名前と簡単な住所を書いて入場。
昇降口にはスリッパが用意されていました。
玄関で第1コバトン発見!
何よりも先に電気科の課題研究の電車を見たかったので、会場へ真っすぐ向かいます。
中庭では宮城県石巻市の東北復興支援販売会を実施していました。
軽食の販売。お昼頃には飛ぶように売れていました。
川越工業高校 文化祭名物・校舎内を走る電車
やはりコレを見なければ工業祭は語れません。
電気科の展示会場に到着。扉の向こうに小さな踏切が見えます。
私が現地に着いた時には、最終調整の真っ最中でした。
客視点では、つい電車本体にばかり注目してしまいがちですが、線路の調整も非常に重要です。
何をしていたのかはさっぱり分かりませんでしたが、彼らの熱意は並々ならぬものでした。
↓の動画は乗客が撮影したものです(2014年)。
電車の待合室の様子。工業祭の花形ということもあり、次から次へと人が増えていきました。
校舎内ではミニ電車も走行!
校舎内では小型の電車も走行。
このミニ電車は、川越市内で開催される子ども向けイベントでもよく使われています。もちろん子どもたちからの支持率は抜群!イベントに登場する度に、大盛り上がりとなります。
ちなみに、この電車は大人でも乗車可能です。私も乗ってみましたが、意外と早くて驚きました。
場内には踏み切りも設置されています。遮断機が上がると、ちょっと嬉しい気持ちに……。
食堂でお食事タイム
11時半頃の食堂の様子です。この頃はまだ空いていましたが、13時頃には満席状態に。
カウンターで食券を出して注文します。
以前、川越高校の文化祭で勧められるがままにカツカレーを食べたので、今回もカツカレーを注文しました。
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黒い!熱い!野太い!川越高校くすのき祭が高校レベルの文化祭を凌駕していた件
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想像以上にボリューミーでしたが、カツがとても柔らかくて美味。お皿の底には肉がゴロゴロと入っていました。満足の味と食べ応えです。
川越工業高校 校舎内の様子
校舎内で第2コバトンを発見。まさか本物がいるとは……。カメラを向けると手を振ってくれました。
工事現場にしか見えませんが、これは実習棟の写真です。これまで普通科の高校しか見たことがなかったので、校舎内に鉄筋や木材があることに新鮮味がありました。
職員室前に貼られていた「5S」運動のポスター。
5Sは製造業やサービス業などの職場環境の維持・改善を目的としたスローガンのひとつで、トヨタなどで導入されています。実務に直結することを学ぶ工業高校らしい運動ですよね。
5Sは5つのSから成る
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
- しつけ
この5Sを守ることで職場の美化やモラルが向上し、業務の効率化や生産性の向上も図れると考えられています。
隙あらば出現するコバトン。
校庭では電気自動車の乗車体験も
校庭では、機械科自動車班が制作したという電気自動車に乗ることができます。この日は悪天候だったためか、ちょっと運転が大変そうでしたが、乗客の安全第一で運行していました。
ちなみに自動車部は、19年9月に開催された「ホンダエコマイレッジチャレンジ全国大会」にも出場しています。
同大会は「1リッターのガソリンで何km走行できるか?」をコンセプトに車両の燃費性能を競い合うものです。
大会の様子はこちら↓(川越工業高校の動画ではありません)。
思わず見入ってしまう建築同好会の展示
つい長居してしまった、建築同好会の「Project Wood」。
模型やモビールの展示、ファーニチャーの販売などを行っていました。
椅子には売約済の札が。
可愛いサイコロカレンダーもありました。
一番目を引いたのが、この「時の鐘」(川越市のシンボル)です。内側まで精巧に作り込まれていました。
電気科でもカート体験
大人に大人気だった電気科の電動カート体験。実際に動かしてみたところ、想像以上にスピードが出て驚きました。
車体の前方上部にある突起がハンドルです。これを前に倒すと前進、横に倒すと右折・左折できます。
車の運転に慣れている大人はすぐにコツをつかんでいましたが、子どもにはまだちょっと難しかったようです。教室内で交通事故が多発していました。
デザイン科の展示&販売
デザイン科の展示はとにかく華やか!「こんなデザインの服が欲しいなぁ」と思っていたモノが何着かありました。
壁面は個性豊かな作品でいっぱい。
全てではありませんが、購入可能な服もあります。
女の子や女性に人気だったアクセサリー売り場。ピアスが可愛かったです。
ポスターデザインの展示。川越市内で見かけたことがあるポスターもありました。
後日、文化祭の展示で見たポスターを街中で発見!私は作者の生徒と何のつながりもありませんが、少し嬉しい気持ちになりました。
川越工業の文化祭「工業祭」は、見るもの全てが新鮮で、驚きと発見の連続でした。私のように普通科の高校しか見たことがない人にこそ、おすすめしたい文化祭です。