2021年10月1日、埼玉県内全域で「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が施行されます。このような条例が施行されるのは日本初とのことです。
目次
「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」とは
「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」は、エスカレーターの安全な利用の促進を目的とした条例です。21年2月に開催された埼玉県の定例会で成立しました。
施行日は21年10月1日です。罰則規定はありません。
本条例では主に以下のことが定められています。
簡単まとめ
- エスカレーターを利用するときは立ち止まらなければいけない(義務)
- 今回の条例を守らなくても罰を受けることはない
エスカレーターには「動く歩道」も含まれます。
エスカレーター利用者の義務
立ち止まった状態でエスカレーターを使わなければいけません。(第5条)
エスカレーター管理者の義務
エスカレーター利用者に対し、立ち止まった状態で使わなければいけないことを周知する義務があります。(第6条)
埼玉県と県民の責務
埼玉県には、エスカレーターの安全な利用の促進に関する施策を行う責務があります。
そして県民は、県が実施する取り組みに協力するよう努めなければいけません。また、エスカレーターの安全な利用について理解を深め、自主的かつ積極的に、安全な利用に関する取り組みを行っていくよう努める必要があります。
埼玉県のエスカレーター条例が可決された背景
本来、エスカレーターは立ち止まって利用するものです。
しかし、実情はまったく違いますよね。「急いでいる人のために、エスカレーターは片側を空けて乗るのがルールだよ」と教えられてきた方も多いのではないでしょうか。
エスカレーター上での歩行は危険と隣り合わせです。自分自身が転んでしまうかもしれませんし、カバンなどが接触して他人を転倒させてしまうリスクもあります。
「そんな現場見たことない」という方もいらっしゃるでしょう。しかし、一般社団法人日本エレベーター協会の調査によると、18年1月~19年12月の約1年間で、エスカレーター上の歩行による転倒事故は全国で805件も発生したそうです。
今回の条例は、このような事故が後を絶たないことから提出・可決されました。
同協会も、エスカレーターは歩くことを想定して作られていないことや、手すりにつかまって立ち止まって乗るよう呼びかけています。
そもそも条例って何?適用範囲はどこまでなのか
条例は、日本の地方公共団体が国の法律とは別に定めた「自主法」です。
憲法第94条には、「地方公共団体は(略)法律の範囲内で条例を制定することができる」と書かれています。そのため、国の法律に違反するような条例を作ることはできません。また、条例を定めるルールについては、地方自治法第14条で細かく制限されています。
今回の「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」の適用範囲は「埼玉県内」です。もしあなたが埼玉県の人ではなかったとしても、埼玉県内ではこの条例に従わなければいけません。
海外旅行中は渡航先の法律に従って行動しますよね。それと同じことです。
埼玉県内でエスカレーターを利用するときは、必ず立ち止まるようにしましょう。
川越観光中もエスカレーターは歩かないよう注意!
上で解説した通り、あなたの現住所にかかわらず、埼玉県内では「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が適用されます。もちろん川越市も例外ではありません。
川越観光中にエスカレーターを利用するときは、必ず立ち止まるようにしてくださいね。