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仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

川越市では、毎年7月13日(日付は毎年固定)に仙波浅間神社で初山祭りが行われます。


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川越に伝わる伝統行事「初山」とは

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

一般的に「初山(はつやま)」という言葉は、「山仕事始めの儀礼」や「その年に初めて霊山に登ること」を意味します。

しかし、埼玉県や群馬県をはじめとする北関東の一部地域では、古くから毎年決まった日付に「初山参り」「初山祭り」という祭事を行ってきました。

この祭事は今日でもいくつかの地域に残っており、地元に伝わる伝統行事として尊重されています。

川越に伝わる初山の風習

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

川越市では1735年頃(江戸時代)から、毎年7月13日に仙波浅間(せんばせんげん)神社で「初山(初山祭り、初山参り)」が行われてきました。

もう1つの初山

7月13日は、川越城本丸御殿の近くにある富士見櫓跡でも初山祭が行われます。全31基の地口絵灯籠と、SNSでも話題の花手水は必見です。

夜は地口絵灯篭の優しい灯りが、富士見櫓跡を幻想的に照らし出します。

13時~21時頃まで。

メインは赤ちゃんの無病息災

初山参りのメインとなるのは、その年に生まれた赤ちゃんです。

過去1年間に誕生した赤ちゃんを連れて仙波浅間神社の小山に登り、お祓いとお祈りを済ませた後、赤ちゃんのおでこに無病息災を願う朱印をペタンと押してもらうのが習わしとなっています。

お嫁さんには「嫁帰り」も

この1年間に嫁いだ人が花嫁衣裳をもう一度身にまとってお礼参りをする、「嫁帰り」という風習もあります。

まだ子どもがいない夫婦の場合

仙波浅間神社には、子宝の神として知られる「木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」が祀られているため、子宝のご利益がいただけるともいわれています。

富士山信仰の神社 「浅間神社」とは

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

初山祭りの会場となる仙波浅間神社は、日本全国にある「浅間(あさま、せんげん)神社」のうちの1社です。

浅間神社では主に富士山を信仰しています。お祀りしているのは、富士山を神格化した浅間大神(浅間神)もしくは木花咲耶姫命(木花之佐久夜毘売命、このはなさくやひめのみこと)など。

木花咲耶姫命をご祭神とするのは、「浅間神=木花咲耶姫命ではないか?」という考えに基づいています。

浅間神社が全国につくられた経緯

昔の人は交通手段が限られていたため、富士山へお参りに行きたくても難しいという人がたくさんいました。そこで誕生したのが、富士山信仰の浅間神社です。

人々は小さな山を富士山に見立て、その上に本殿を建てて神社をつくりました。そして、富士山の代わりに浅間神社へお参りをしたといわれています。

初山で買いたい 団扇とあんころ餅

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

川越の初山祭りにあんころ餅と団扇(うちわ)は欠かせません。

あんころ餅は「夏の健康のために」、団扇には「夏の難病や疫病を追い払って健やかに過ごせますように」という意味が込められており、祭りに参加した人はお土産としてこれらを買い、仲人や親せき、ご近所に配るのが古くからの習わしとなっています。

仙波浅間神社の初山祭りへ

※写真は2018年に撮影しました。

初山祭りは11時頃から始まるのですが、この日は18時過ぎに足を運んでみました。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

会場前の県道39号沿線の歩道。浴衣姿の子どもたちがキャッキャと騒ぎながら歩いていました。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

仙波浅間神社へ続く道。普段はごく普通の住宅街ですが、子どもたちで埋めつくされています。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

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国道16号沿いの「和食レストラン とんでん」の駐車場。見事に子どもたちのたまり場と化していました。

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とても真っすぐ歩けるような状況ではありません。

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屋台村は16号線に沿って約300mほど続いていました。

初山祭りメイン会場へ

初山に来たからには、あんころ餅と団扇を入手して、お参りをしていきたいところです。

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老舗和菓子店「くらづくり本舗」の出店。あんころ餅を求め、お客さんたちが長い行列を作っていました。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし
列に並んでいる間に配られた緑茶。冷たくて美味しかったです。

約20分並んだ末、無事にあんころ餅を買えました。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

あんころ餅のパッケージ。色々な種類がありましたが、若い人にはこの富士山型が人気だったようです。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

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富士山の箱の中に、このようなパックが4つ入っています。このセットを3~4箱買っていく人がたくさんいました。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

メイン会場では、仙波囃子連によるお囃子の実演も。祭り中はほぼ絶えずお囃子が聞こえてきました。

初山参りは根気との勝負!

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拝殿でのお祓い・お祈りは一瞬で終わりますが、そこに至るまでの待ち時間はとにかく長いです。時間帯にもよりますが、30~40分待ちは覚悟した方が良いでしょう。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

山に登ったらお参りをします。とはいえ、次から次へと人が押し寄せて来るので、あまりゆっくりはしていられません。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

額に朱印を押される子どもたち。ほとんどの子は大人しく印を押されますが、中にはワケが分からず泣き出してしまう赤ちゃんも。

この後は本殿の裏にまわり、富士山の噴火口を模した岩穴にお賽銭をあげてお祈りすれば、参拝終了です。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

お参り後に団扇を購入。自宅の玄関に置いています。

夜はすっかり大人たちの時間に

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20時を過ぎると、ちびっ子たちの姿はほとんど見られなくなります。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

来場者は中学生以上の子どもや大人たちがメインに。

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辺りはすっかり真っ暗になりましたが、人波の密度はますばかりです。

仙波浅間神社 初山祭り 江戸時代から続く、小江戸川越の習わし

小学校高学年~中学生の子たちが乗ってきた自転車。16号沿いの歩道にずらっと並んでいました。

23年の注目あんころ餅

毎年、初山祭りが催される7月の初旬頃から、川越の老舗和菓子店ではあんころ餅の販売・予約受付を開始します。

初山にちなんだあんころ餅が食べられるのはこの時期だけ。食べたい方はお早めに。

龜屋

龜屋では、7月13日・14日の2日間限定であんころ餅を販売します。

4個入りは本店と丸広川越店のみで販売。5個入りは本店・丸広川越店・アトレマルヒロ店・西武本川越ぺぺ店・時の鐘店・広栄店・丸広東松山店・本社工場売店で購入できます。

紋蔵庵

7月13日のみ販売。

なお、7月11日までに予約した人限定で10%引きになります。

くらづくり本舗

7月1日~7月13日まで、くらづくり本舗全店舗で販売されます。

餅には国産の餅米を使用。米の風味とコシを楽しめる餅に仕上がっています。

餡は、北海道襟裳産の小豆からなる「あっさりとした小豆皮むき餡」と、北海道十勝産の小豆を使った「小豆の風味豊かな粒餡」の2種類。

また、「黄名粉餅(きなこもち)」を添えることで、味と食感に彩りを加えています。

道灌

7月1日からあんころ餅の発売が始まりました。初山にちなんだ富士山型の餅です。

毎年、7月の下旬まで販売しています。

【2021年の情報です】右門

7月13日のみ販売。餅の上になめらかな自家製こし餡がのっています。

販売店舗はルミネ川越店、時の鐘店の2店舗。

仙波浅間神社 初山祭りの開催時間とアクセス

初山祭りは11時~21時頃まで行われています。

ただし、夕方以降はかなり混雑するので、赤ちゃん連れの場合は早めに行くことをおすすめします。

JR・東武東上線「川越駅」東口から

  • 徒歩13分
  • 川越シャトル(30・31・32・33系統)乗車 「富士見町バス停」下車 徒歩3分

駐車場

専用駐車場はありません。

近隣のタイムズの一覧

お酒を飲まれる方は運転NGです。

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富築

富築

埼玉県と美味しいもの・可愛いものが大好きなwebライター。川越在住。
蔵の町周辺をよくぶらついています。
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