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文武両道の名将、太田道灌。川越に遺る道灌の足跡

投稿日:2016年8月22日 更新日:

「太田道灌って名前は聞いたことがあるけど、正直何をした人なのか分からない」「そもそも『道灌』ってどう読むの?」という人は、結構多いと思います。

そこで今回は、川越の歴史に深く関わっているにも関わらず、知名度が正直いまいちな名将、太田道灌についてお話しします。

太田道灌とは

Outa Doukan.jpg
By 不明。 - 大慈寺所蔵品。, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3496004

太田道灌(どうかん)は享徳の乱長尾景春の乱で活躍した室町時代後期の武将です。
兵学に明るかった道灌の兵法は「足軽軍法」と呼ばれていました。

父・道真(どうしん)から家督を譲られた後は、入間郡に河越城(川越城)、埼玉群に岩槻城を築城しました。
(岩槻城は忍城主・成田正等によって築城されたとする説もあります)

また、武蔵国に江戸城を築城し、その周辺に日枝神社や築土神社など有名な神社を数多く造営したと言われています。
現在でも江戸城には「道灌濠」の名が残っているそうです。

川越城についてはこちらで詳しく書いています。

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太田道灌と山吹伝説

山吹

歌人としても成功した太田道灌。
彼が歌に関心を持つ様になったきっかけが「山吹の花」のエピソードです。

ある日、鷹狩りの最中に雨に見舞われた道灌は、近くの農家で蓑(みの)を借りようと考えました。
しかし、農家の娘が差し出したものは、蓑ではなく山吹の花でした。
その仕打ちに道灌は怒り、蓑を借りずにそのまま帰ってしまいました。

後日、道灌は知人にこのエピソードを話しました。
すると知人はこう答えました。
「もしかすると、その娘は
七重八重 花は咲けども山吹の みの(蓑)ひとつだに なきぞあやしき
表の意:山吹の花は七重八重に咲くというのに、実を一つもつけないのは不思議なことだ。
裏の意:山吹ではありませんが、お貸し出来る蓑ひとつ無いのは心苦しいことです)
という歌になぞらえたのではないですか?」

つまり、農家の娘は「申し訳ないのですが、お貸し出来る雨具はございません」という断りの意味で、道灌に山吹の花を差し出したのです。

道灌は自分が歌の道に暗かったことを反省しました。
その後、彼は歌について懸命に学び、日本を代表する歌人となったそうです。

このエピソードを元にした落語もあります。

立川談志 『道灌』

農家の娘が詠んだ歌の元ネタについて

「七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだに なきぞあやしき」
という歌は、太田道灌が詠んだものと思われがちですが、もちろんそれは誤りです。

元ネタは「後拾遺和歌集」の1154の項。
作者は醍醐天皇の第十六皇子、兼明親王(かねあきらしんのう)です。

また、「後拾遺和歌集」では「なきぞあやしき」と書かれていますが、江戸時代の流布本では「かなしき」になっています。
そのため、「なきぞかなしき(悲しき)」で解説している本やサイトも多いです。

川越市役所前の太田道灌像をチェック!

太田道灌像

川越市役所前には太田道灌の像が建っています。

…が、ガイドブックでは全く触れられていませんし、市民ですらその存在を認識しているのか分かりません。
この写真を撮っている時、周囲の人たちから「何でこの像撮ってるんだろう?変なの!」という目で見られていました。

道灌像の道灌は鷹狩りスタイルの出で立ちです。
でも、右手をよく見ると…。
右手には山吹が
しっかりと山吹の枝が握られています。

川越市役所の場所

ここから東へ歩くと川越城本丸御殿へ行けます。

まだまだある!太田道灌像

太田道灌の像は川越市役所前以外にも建っています。

東京の日暮里駅前や東京国際フォーラムのガラス棟、埼玉県さいたま市岩槻区役所前と芳林寺敷地内、越生町の龍穏寺にも銅像があります。

また、銅像以外にも、神奈川県伊勢原市には首塚や胴塚が、越生町の龍穏寺には分骨した太田道灌墓が残っています。
神奈川県鎌倉市には供養塔も存在しています。

太田道灌にちなんだ和菓子屋「道灌」

和菓子屋「道灌」
市役所から川越城方面へしばらく歩くと、和菓子屋「道灌」があります。

「道灌」は大正10年創業の老舗店。
川越で和菓子屋と言えば「亀屋」のイメージがありますが、「道灌」も負けていません。

左から「丁稚芋」、「道灌まんじゅう」、「芋クリームどら焼き」
左から「丁稚芋」、「道灌まんじゅう」、「芋クリームどら焼き」です。
いずれもお店のおすすめ商品。

丁稚芋は餡風にこした川越芋の甘露煮です。
見た目は羊羹っぽい感じ。
あっさりとした甘さで食べやすいですが、凄くお腹にたまります!

桜の名所、道灌橋

道灌橋
市役所や川越城とは反対方面ですが、菓子屋横丁からしばらく歩いた場所に「道灌橋」という橋が残っています。
橋の欄干には山吹の歌が書かれています。

道灌橋の場所

かつてこの周辺に太田道灌の屋敷があったそうですが、現存はしていません。

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周辺のおすすめランチ 蕎麦「百丈」

百丈外観
川越市役所前の交差点にある蕎麦屋「百丈」。

店舗は「看板建築」と呼ばれる店舗併用型住居で、関東大震災後に人形町や神田、上野などの商店街に多く建てられたと言われています。
しかし、そのほとんどは既に取り壊されており、現存しているのは9軒ほどしかありません。

百丈の店舗は1999年7月に国の登録有形文化財に指定されています。

百丈 横から
店舗を横から見たところ。
1930年以前は「湯宮釣具店」という釣り具のお店だったそうです。

大根おろしそば
暑かったので、大根おろしそばを注文。
具だくさんで食べ応えがありました。

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